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未経験者向け!フェンシングとは

オリンピックが東京で開催されるにあたり、注目がますます高まるフェンシング。
今回ここでは、フェンシングってなんか聞いたことあるけどなんだっけ?という人に向けて、フェンシングをご紹介します。

経験者向けではありませんので、経験者の方はハイ!後ろ向いて。プレ・・・アレアレいってこーーい。

フェンシングですよ、フェンシング

まず単語からして、横文字なので敷居が高いのです。

一番よくあるのは・・・フェシング!

フェイシングとは-
商品の包装の上面、顔に当る部分をフェイスといい、面を揃えることから、商品陳列をいう。陳列棚(ゴンドラ)内において、面(フェイス)をいかにきちんと、また、購買意欲をそそるように陳列するかが、フェイシングの技法といえる。これに派生して陳列管理をフェイシング管理という。
(出典 (株)ジェリコ・コンサルティング / 流通用語辞典について / コトバンク)

・・・商品の陳列方法ですよ?オリンピックで?
世界の頂点を競うわけですか?いかに購買意欲をそそるかを?
いやまぁそれはそれでちょっと見てみたいですけども・・・・。

次によくあるのが、フィッシング。
これはもう皆さんご存知ですよね、釣りです。

「ねぇねぇ知ってる?オリンピックに釣りがあるんだよ?」とか言われると、なんか競技のバス釣り大会とかを思い浮かべて、へぇぇそうなんだ?とかなったりするかもしれませんが。

そして実際ビジュアル的にも、「え、何持ってんの?釣り竿?」とはなりがちなので、あながち突拍子もない誤解ではありません、フィッシング。
ただ・・・考えてください。体育館で、どうやってフィッシングやるのか。昔懐かしい魚釣りゲームですかね?

とまぁこんな感じで「フェンシングやってます」「え?フェイシング?」「いえフェンシングです」「え?フィッシング?」と、話が全然進みません。

耳の遠い高齢者と話しているかのようです。しかしなぜ高齢者は耳が遠いのに、自分の悪口だけはやけに繊細に聞こえるのでしょうか。都合よく耳が遠かったりボケたフリをする高齢者もいるので、油断もスキもありゃしません。

フェンシングのビジュアル

さて、ようやく「フェンシング」という名前にたどり着いたとして。
次に言われるのが、見た目のことです。

「あれでしょ、全身タイツ」・・・そうやって言ってくる人は、ある意味見た事あるのかなって感じはします。
「もじもじくんみたいなやつ」・・・そろそろもうネタが通用しません。月日が流れるのは無情の速さがあるものです。

そのへんが無かったとしても、けっこう知ってそうな人のかなり多くの人が、「こういうのでしょ」と、利き手をシュッシュッと前へ何度も突き出しながら、左手をバカっぽく上げます。

掌は上を向けない!!!自然に下へ!!!

・・・コホン。それはともかく、フェンシングの、右利きの時のあの左手はなんなのか。
確かに上げるように教わります。始めるときは。

そして、右手に持った剣を前に思いっきり突く時、左手も大きく振り下ろします!バーン!!
これによって剣に勢いが出るのだ!!と説明されるのですが、ちょっと待て。どう考えても後ろに振ってるでしょそれ。物理学無視してないか。

右手を伸ばす時に、左手も同時に伸ばす事によって、自分の感覚がバーンと・・・なるかいな。両手同時に動かさなきゃいけない人にはスポーツ向いてないと思うんですがね。

なので、まぁこうやって教わるわりに、試合でこういう攻撃をする人はめったにいません。というかちゃんと上げない。
バランスを取るのに意味があるのは事実ですが、ずっと上げっぱにする事に意味は感じられない。

それなりにやっている人のほとんどが、なんとなく体の脇あたりに浮いてます。たまーに、やけに綺麗に上げてる人もいますけどね。

そういえばサーブルって、昔は必ず腰に当ててませんでしたか?逆手。そのかっこよさも、筆者がサーブルを好きになった理由でしたので、当時は必ず腰に当てていました。

フェンシングには種目が3つある?!

ここから先は、経験者しかまぁ知らない話です。 実はフェンシングは、その中で「フルーレ」「エペ」「サーブル」と3つも種目があるのです。
最近少しずつ周知はされているものの、まだまだ知られていません。

これら3つはどれも全てオリンピック種目であり、当たり前ですがそれぞれ別に開催され、トップレベルであれば選手はほぼ、それぞれの専門に分かれています。

さぁではこれら3つの種目を、フェンシングをやらない/やる予定もない人でも分かるように解説しましょう!

フルーレ

これは日本では最も盛んな、まるで「フェンシングの基本、フェンシングといえばフルーレを指す」というようなものです。
フェンシングブームを巻き起こした現日本フェンシング協会会長の太田雄貴も、現国際オリンピック委員会会長のトーマス・バッハも、フルーレです。ここだけ見るとやっぱ基本っぽいなフルーレ。

さぁそんなフルーレ、見分けるポイントは「銀色の部分の位置」と、鍔の大きさです。

メタルジャケットと呼ばれる、通電用の鎖帷子の細かいやつみたいなものを、胴体の部分にだけつけているのが、フルーレです。よーくよーく見ると、実にダサい形です。
あとメタルビブといい、マスクのアゴのあたりにたれがついてますがそこの一部が銀色になっているかどうかもポイントです。なっていればフルーレ。

剣の鍔、フェンシングでいうところのガードが小さくて平べったいのも、遠目にフルーレを見分けるポイントです。

ルールとしては、なんだかちょこまかとややこしく、

ランプついた!!!え?無効面?色のランプがつかないとだめなの?

とか、

色のランプついた!!!え?攻撃権?自分色のランプついてるんスけどダメなんスか?

とか、

よっしゃとにかく先に突いた!自分だけ色ランプついた!どや!え?ヘッドダウン?どーしても自分の点にならんのか審判てめぇこのやr*h=ls+g$yn%kh#nk

とまぁこのように、なかなか紛糾しがちな種目です。
フルーレで勝つためのコツは、審判に先に付け届け(ワイロ)を欠かさないことでしょう。「中東の笛」が来ればいける。きっと。

エペ

エペの見た目の最大のポイントは、真っ白さ。
銀の部分が無い、メタルジャケットという通電部が無いのが特徴です。
マスクのたれのところも真っ白。 ただし最近では「カラーメタル」といって、カラーリングのメタルジャケットを着ている事も多く、白メタルだと、銀色の部分が白いので遠目にはフルーレとエペが一瞬分かりません。
近づけば、メタルだとなんか表面がガザガザしていますが。

剣の鍔であるガードも、フルーレよりはだいぶごっつく大きいものがついています。
真横から剣を見た時に、鍔がほぼまっ平なのがフルーレ、もこっとドーム型なのがエペで、未経験者にはここの違いが一番分かりやすいかもしれません。

ルールはとにかく単純明快で、早い者勝ち、ランプがつけば得点。
実に明朗会計です。たまにぼったくられるフルーレとは違う。

まぁそれだけに、ちょっとバカっぽさもありますが、実は単純なようでいて、ルールが単純なだけに実はとても高度で繊細な駆け引きをしていたりします。

ちなみに当川崎フェンシングクラブでやるのも、このエペです。

代表コーチである武田仁そのままですから、皆さん覚えてください。
ちょっとバカっぽく単純なようでいて、実はとても高度で繊細だったりする武田仁、です。

サーブル

最後が、オマケのような扱いになりがちのサーブルです。

ローカルな大会だと、「参加者8名」とかだったりもします。いきなりのベスト8。入賞したぜ!って自慢できます。ドンゲツでも。(逆に優勝してもなぜかちょっと寂しかったりするので、皆さんもっとやりましょう、サーブル。川崎フェンシングクラブではやりませんが←)

サーブルの見た目の特徴は、メタルジャケットの銀の部分が、上半身全てになっている事です。
最も見分けやすいのは、マスクですね。メタルマスクといって、マスクの全てが銀色になっていて、サーブルはかっこよいのです。

マスクが黒っぽいのはフルーレかエペで、黒い塗料を塗って絶縁しているわけです。
サーブルは塗らないので銀色です(カラーメタルだと赤とか青とかいろいろありますが)。

袖の部分のメタルもサーブル固有です。
逆にサーブルは上半身だけなので、もし股間の部分がメタルならば、それはフルーレです。まったく股間も狙わせるとはフルーレは非紳士的な種目です。サーブルにはそんな事はありません。
(※川崎フェンシングクラブは、股間どころか頭の先からつま先まで、どこでもOKなエペのみを開催いたします)

剣の鍔・ガードは、サーブルの場合、上と下が繋がった、いかにも「サーベル」って感じの形状をしています。
これがまた・・・かっこいいんだな。
みなさん良いですか、かっこよさならサーブルの一択です。ここんとこ大事です。
(※川崎フェンシングクラブはエペ専門です)

サーブルのルールはというと、「斬ってよい」という、フェンシングにあるまじき方式です。
叩っ斬ります。「痛くないの?」ってよく聞かれますが、ふっつーにミミズ腫れとかなってたりしますよ。
この、剣をブンブン振り回してよいところも、かっこいいのです。やるならサーブルに限ります
(※川崎フェンシングクラブは)

ルールはというと・・・フルーレもかくや、というくらいの紛糾っぷり。

同時の攻撃で同時にランプがついた!!これは引き分けか!!!え?前に出る時にほんのわずかに片方のつま先が上がるのが早かった?!

左の選手の片方のつま先が上がるのが早かった!これは左の選手の得点か!!!え?右の選手のほうがほんのわずかに腕を伸ばし始めるのが早かった?

腕もつま先も早かった!今度こそ得点か!!!え?わずかに途中で止まった?どーしても相手の点なのか審判てめぇこのやr*h=ls+g$yn%kh#nk

とまぁこのように、荒れます。難癖をつけられているようにしか思えず、最後まで首を傾げたまま負けていったりします。

サーブルで勝つためのコツは、審判をギラギラ睨み続けて必要以上に「ワホーー!」「トリャアアアアアアア!!!!」「ィヨッシャァァァァオオオエエエエエエ!!!!」とか雄叫びをあげて、恫喝する事でしょう。
弱気な審判なら、いける。

フェンシングに触れてみよう

以上がフェンシングの3種目でした。
途中なにかお見苦しいものも見えたかもしれませんが、フェンシングは騎士道精神にのっとった紳士のスポーツであり、とても美しいものです。
是非、折があればフェンシングに触れてみてください。

川崎フェンシングクラブでも、見学はどんな方でもご自由に可能です。
勝つために必要なコツを本コラムでも少し書きましたが、本コラムで紹介していないエペのコツは、優秀なコーチが教えてくれます。

騎士のスポーツとして。

突け、(審判の弱い)心を。

(ライター:MUSYA)



 

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